vol.374 価値付けの歴史
2024-12-19
・まんだらけの価値付けの歴史
・捨てられていた原稿
・漫画の価値を誰よりも標榜していた者
・漫画家の特徴
・白土三平の偉大さ
・手塚治虫の考え方
・高橋留美子先生との苦いエピソード
まんだらけを始めた頃にね、いろんな作家に価値付けしてたじゃないですか。 水木さんの本に…。それまで安かった本を高くしたりとか。手塚さんの本は当時もう高かったんですよ。今から 30年ぐらい前?いやいや、もっと前だね。30年以上前だ、35年以上前、40年ぐらい前か、40年くらい前ですね。30歳前後だから45年ぐらい前か。うん43年前ね。
その頃はまだね、他の漫画家さんたちに全然価値がついてなかったんですよ。 要するに価値が認められてなかったのね、もう原稿だって捨てられたんだよ。出版社が捨ててたんだよ。
今はなんか、今っつうか、一時期まんだらけ叩かれてなんで原稿売ってるんだとか言われたけど、 別に原稿を売りに来たから売ってるだけで、ぶっちゃけてうちは盗品とか知ってたら絶対売らないし、盗品は全部返してますよ。
そうじゃなくて、普通に捨ててたもんを拾ったのをうちに持ってきたから売ってたんだよね。で、捨てたのは誰かつったら大体出版社だ本当に。で、その出版社がうちはそんなこと知らないとか言ってんだけど。
それで今は漫画は文化だとか言ってますけど、あれとんでもないよ。うん本当に。漫画の価値とかアニメの価値を1番その標榜してた…要する標榜ってのは、喧伝、喧伝っていうのはなんつうの?言ってたのはまんだらけなんだよ。
で、1番叩かれたのもまんだらけ。なんでかっつうと値段、価値つけてたから、価値付けなんかするなって言われたわけよ。漫画家からも言われたよね。
もう(並の漫画家は)自己評価が低いのよ、「自分たちの漫画なんて」のがあるわけよ。だから原稿捨てられても、ないがしろに扱われても何にも言えないわけよ。
原稿を当時きちっと管理してたのは白土三平さんだよね。あの人はもう絶対原稿返してもらったし。だから流れてこないね、あの人の原稿ってのは。その辺は偉いよね。 手塚さんのは結構流れてきたんだけども、あの人もあの人でまた考え方があって、別の考え方があって、「いいんだ」と。自分でもう、出版社に言われてじゃなくて、自分からファンの方たちに、自分の絵がそんなに求められているならあげましょうっていう感じでやってたわけ。あの劇画の人たちもそうだけど、劇画の人たちはあれだよね、出版社に言われてやってたよね。 また実際、本当に自己評価低いから「いいや、いいや」でやってたわけよ。水木さんはちょっと違って、水木さんも手塚さんに近いよね。でも水木さんはちゃんと一応管理してたけど、あれはアシスタントが結構持ち出してたよね。
でね、当時ね、高橋留美子さんで結構儲かったんですよ最初。少年サンデーの28号、 あれは「勝手なやつら」だよね。あれさ、1番最初のデビュー作なの、留美子さんのね、商業デビュー作。「うる星やつら」の前に「勝手なやつら」ってあったんだよ。
で、それは高くなったのそのサンデーは。今、ドラゴンボールの第1巻とか高いでしょ?初回の。セーラームーンの初回のジャンプってのは。でも最初にそういう雑誌、あるいはサンデーとかマガジンとか、あと少女のLaLaとかプチフラワーとか、あの辺に全部値段つけたの、私がやって。
で、その時にやっぱね…もう死んじゃったんだけどそいつ、あんま死んだやつのこと、悪い悪いって言いたくないんだけども、俺は被害者のままでいるの嫌だから。
高橋さんのファンで、まんだらけのことをね、多分悪く言ってたんだよね。あそこは高橋さんの何か…ものを高く値段つけて、マニアに高く売りつけてるんですよ。なんて言ってたんだろうね。で、すごく嫌われて、なんでそこまで嫌われるのかっていう感じがあったんだけど、俺は高橋さんのことすごい好きだったから。
でね、そいつは悪いやつでね、盗んでたんだよね1番高い本をね、まんだらけにあった。「ユートピア」ってのが盗まれたんだけども、あれ盗んでんだよねそいつ。当時100万円の値段をつけたんだけども。しょっちゅう出入りしてたんですよマニアだから。
とにかくね、悪いやつで、でも別に俺はもう「ま、いいか」っていう、その当時からずっとまあいいかっていう感じのあれだったから、もうほっといたんだけど。そのうち死んじゃったみたいだね。天罰だよ、それは。
ということで、 なんでそこの話に行ったんだっけ。なんで漫画の原稿話になったのか。
かわかつ)
アメリカの州で合法的に聖書が学ぶっていう政教分離の話から
ほら、わかんないでしょ?どんどん飛んでくんだよ。まぁいいやね。はい、今日はここまで。